バーチャルに侵食されたリアル。
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2010/03/03
- メディア: Blu-ray
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いいんです、院試験に一段落がついたので遅めの夏休みですからw
映画自体は、泣いた、笑った、飯食った、という普段の問題をきれいに積み重ねて
「一族の絆」が強まるさまを、丹念にきれいな絵で描くことで
ヴァーチャルなでもリアルに直結する問題を解く環境を整える、という
すごく面白く、かついい話で大好きな感じです。やっと納得できる夏休み映画を見ました。
さて。映画をみながら思ったこと。
-田舎にバーチャル世界が入ってきた状態、これ無敵!
うん。
良くも悪くも。
田舎的、ある意味他人のプライバシーにずかずかと入り込んでくる社会が、
すべての情報を開示する(せざるを得ない、それこそクラッキングとかして改ざんしない限り)
ネットワークにつながっている場合。
1個だけ、すごい「未来予測」が恐ろしくなる場面がありました。
役所から田舎のおばちゃんが勝手に主人公の本当のプロフィールを貰って来る場面があるんですよ。
mixiとgoogleとtwitterとamazonと住基ネットと納税者番号制と電子投票システムを混ぜたような
ひとつのwebサービスとしてさまざまなことを行ってしまう「OZ」っていうシステムが、
行政の電子化でも導入され、ケータイすら「OZ」ベースになった、なんと言うか
バーチャル世界にリアルがすごく侵食されている状況で、
個人情報の集積された、とても貴重な履歴書のようなとてもセンシティブな情報が
(住基ネットで得られるレベルじゃないであろう情報が、そこにはありました、学歴とか)
普通に名家の出とはいえ、「田舎のおばちゃん」が役所でいとも簡単に手に入れられること。
未来の「デジタル化」が田舎の「おばちゃん」に凶器を与えているな、と。
リアルすぎてそこに本気で戦慄しました。
泣いた、笑った、運動した、飯食った、といった普段の状況を
すごいリアルに書いているから、そこもリアルじゃなければこの映画は面白くなかっただろう。
逆に、この恐怖を覚えるくらい設定をリアルにしているから、日常も活き活きしているのが
違和感なく見れるんだろうけど。
一緒に飯を食うことで一族の絆が深まっていくのが面白かったし。
それ以外は、野球の試合とストーリーのシンクロ率とか、綺麗なまでの話捌きが
美しかった、という印象。
まあ、ジェネラルな話はいろんなblogで言葉を尽くして語りつくされているでしょう。
だから、とりあえずそこらへんの賛辞は他人に任せるけど、リアルすぎておススメです!
ふう。
映画版「アマルフィ」の設定のつめ切れなさにどうも欲求不満だったので、
やっと夏休み映画で満足できるものを見たかな、という感じでした。
(あ、エヴァも見たんだけど、それは別枠で考えることがいくつか。
Lifeの「番外版、エヴァ特集」とかと絡めてまたこのblogにエントリーを投げたいと思います。)