挫折した天才は如何にして安定を得たのか。
正直、読書してる場合じゃないんだけど。
まあ、時には逃避も手段でしょう。
- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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挫折した引きこもりの天才が、ゼミの先生に頼まれた青年にふっかけられて「宇宙の作り方」を考える。
この天才、精子バンクから生まれた子供で、
実の父親を知らない。
そのことで挫折しつつ、なんかスーパーカミオカンデみたいなでっかい実験機を
作り上げ、そしてその理論を支える。
じつは、意外な人物が父親だったりするけどね。。。
ひでえバッシングに対しても平然としている穂積がなかなか見ものです。
しかし、えぐいまでに理系で性悪な人ってこんな感じだよな。
あとは、彼女の恋愛について。
最後まで、元彼が完全には明らかにならないのは、
わりとよかったと思います。
そして、ラストシーンについて。
ある「大事なもの」を得たことで、天才ゆえに捨て去った一般性を取り戻し、
そして現代世界に適応していく。
「天才の孤独」が放棄されたのはなかなか面白かったです。
まあ、あえて時代を近未来に設定した意味は、エロネタがハイテクなだけでちょっとばかしわからなかったけど。。。