非コミュの夢、非コミュの反撃

夏目漱石全集〈3〉 (ちくま文庫)

夏目漱石全集〈3〉 (ちくま文庫)

現実が「住みづらい」人の青春の話。
草枕」も「野分」も、なんか登場人物に非コミュがいる気がしますけど?
「とかくこの世はすみづらい」青年画家とか。

夢の世界(と、いうかそれに近い隔離された世界)に遊ぶ
青年絵描きの、不思議な女性との出会いと芸術論な「草枕」と、

いろいろと世渡りが下手な先生がぼろぼろになりながら、
同様に非コミュ気味なかつての教え子とのクロスオーバーのある「野分」。

写真撮影に旅行に出ているので、「草枕」の感覚は
正直わからないでもないけど。

っていうか前にバイトの選考で出てきた本です。
さくさくと読める幻想小説って感じかな?

野分は野分で、
非コミュ先生の演説シーンが
なかなか圧巻です。
先生、できるじゃん、みたいな。
あの詭弁説明はなかなか面白いです。

青春、自我、芸術、非コミュ、明治。
ここいらへんのキーワードに引っかかるなら、
読んでみてはいかがでしょうか?