black of white

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

見張りを依頼された探偵のアイデンティティーが解けていく物語です。

  • ブルーという探偵が見張りを依頼される
  • 見張る相手のブラックはなかなか動かない
  • 依頼主のホワイトが結構胡散臭い。
  • 気がつくと、ブラックに親近感を持つブルー

って感じで、自分の仕事が分からなくなり、色々と自我が解けていくような物語でした。
純粋に、あまり肩肘張らずに楽しめるエンタメでしたよ。
たぶん純文っぽく深読みとかいくらでもできるとは思うけど。
名前が「色」なのは、たとえば「自己」の表現を色でなぞらえている、とか、
「ホワイト」と「ブラック」って名前の付け方が、あるいみ叙述トリックだよね、とか。


オースターは初めてですが、これがアメリカ文学、なのかなあ。国民性とか?

ただ、オースターが読みやすいエンタメ系の作家であること、
この本が心地いい作品だったこと、は分かりましたよ。