失うこと、それも大量に…

関連エントリ
・何も無い、事が・・・・(村上春樹風の歌を聴け」)
http://d.hatena.ne.jp/dynamite-ti/20081027/1225123811

・ストックルーム・ヤード(村上春樹「1973年のピンボール」)
http://d.hatena.ne.jp/dynamite-ti/20080905/1220584135

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)

さて、不思議な羊のイメージを追い求める物語です。


村上春樹の「ノルウェイの森」が割りと好きなんだけど、
それは美しくも穏かな喪失があるからだと思います。

この作品では、主人公はさまざまなものを失います。

ネタばれ除外で、反転させましたよ…。
最初に、主人公は奥さんは離婚します。
そして、新しくできた彼女は、羊を探すツアーに出るものの、
途中で山小屋に残るかどうかで山を去り、
そこまでして会う努力をした友人は死に、
最後に、その物語を構築した神は死んだ。

まあ、そういうわけで。
村上春樹が面白くなってきた・・。
書く毎に、きっとストーリー性へと移行したのでしょうね。
風の歌を聴け」は、なんとない日常でした。
「1973年のピンボール」は、若干春樹っぽい幻想的な感じで、
日常生活の中に、ストーリーじみた設定が広がってきました。
「羊を巡る冒険」のストーリー性は結構素敵です。