雑誌の将来

学校の休校期間*1も悪くは無いものです。
その間にLifeの過去の放送を聞き、考えもまとまりました。
(つーか、就職活動しろよとかそういった突っ込みは無しな方向で・・・。)

参考リンク

「文化系トークラジオ Life」 

・2008年5月11日(「雑誌」)
http://www.tbsradio.jp/life/2008511/

・2008年4月27日(表現する人・したい人)
http://www.tbsradio.jp/life/cat189/

雑誌、って何なんだろう。という。
文藝春秋とかそういった「総合誌」、ターゲットとなる年齢層が高いままずーっと
新しい「総合誌」ができてこない状況はこの先どうなるのか、という話で。
「R25」が、「若者向けの文藝春秋」を目指していた、と言うのが興味深かったです。

  • 「編集者」の想い

 ネットとかblogとか、情報の氾濫がすごい状況でお金を取る雑誌を作るには
「編集者の思想」が届けられる雑誌を作ることが求められるのでは?という話。

この話を聞いて、ビコーン、ときたわけです。
私が中学生時代に貪り読んだ雑誌、「ファウスト」を思い出したのです。
大田克史*2、責任編集。つーか、1人編集。
内容も、大田克史の編集してきた作家を中心にした。
ゼロ年代の文学とか評論とかマンガとかが有る意味詰まっていた、自分にとって「ゼロ年代」を表す雑誌。
そして、「文芸合宿」とか、「ファウスト賞」とか、「海外展開」とか。
編集者がやりたいことを、編集者が興味を持った文脈で紹介した雑誌かもしれない。

「思想地図」と同じでわりとムック性は高かったし、
雑誌の文脈で語れるかどうかはわからないけど。
何度も発売延期を繰り返し(主に1人編集の都合。)それでもいまだにvol.7*3が昨年夏に出る。
そういったこの雑誌が、社会に受け入れられた結果雑誌として生き延びているのであれば
ある意味でそういった編集者等の知識や思想をぶちまけた書籍が生き残る、実例が出ているのかもしれない。
やはり、「編集」の腕、何を考えているかが、「金を取っていく」情報プラスαの
「これで、お代をいただきます」たる部分になっていくのかもしれませんね。

  • で、何を足していけばいいのか?

表現していく人がblogでも増えているし、
正直面白いことは「ザクティ革命」*4みたいにネットが使えれば、方法論とかアクセシビリティ的意味で簡単にできてしまうわけだし。

本当に、勝負は頭の中かも知れない。
そこで、「御代をいただく」プロフェッションである編集者が何をするべきか。
やはり、コンセプトからしっかり考え抜いて、面白いものを作る。ことに尽きるのかもしれませんね。

ファウスト」も、「闘う、イラストーリーノベルスマガジン」だったわけだし。
Lifeも、こんなりっぱなコンセプトがある番組だし。
Lifeのポッドキャスト向けの特別編で黒幕様も熱く語っていた、「Life的なもの」を増やす、それ自体が「Life」と名づけていなくても、いい。という戦略、ラジオをフォローするblogまで「Life」ってのも面白いと思います。
やはり、他人を「巻き込める」メディアは強いです。ニコ動しかり、ファウスト*5しかり。

ちなみにLifeみたいなサブカルから人生から、ゆるーく語る感じのコンセプトの雑誌が
たとえば毎月100ページ600円とかで出るなら、読んでみたくはありますね。

ある意味で、それ自身が新しい時代の「総合誌」の有り方なのかも。
もともとLifeも、黒幕氏のやりたいこと、だったわけだし。

それを考えると、ターゲット層を巻き込めるようなフィールドで、
知識深い人が斬新なアイディアを振りまく雑誌、が生き残るのかもしれませんね。「総合誌」でも。


p.s.最近、「ゼロアカ道場」の4回目の関門*6の本が
出たので、ゼロアカ道場の道場主、東浩紀産の出演した、Lifeの「現代の現代思想」をPodcastで聞き込んでみようと思います。
もうそろそろ「外伝」まで出揃うだろうし・・。

*1:ご他聞にもれず、新型インフルエンザの影響で、京都の某大学はこのじき休校でした。

*2:講談社の編集者。西尾維新佐藤友哉の担当編集。いつ寝てるんだろう、というくらい分厚い書籍の編集を矢継ぎ早にやって、私の自宅の書籍の書棚を1段以上埋めた恐ろしい編集者。

*3:筒井康隆×ラノベ、という新しいコンセプトのコラボをやってました。さすがJ編集長!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

*4:ゼロアカ道場」の課題で同人誌を売るため、ある門下生がニコ動にいろいろうpして、注目を浴びた

*5:ファウスト賞、という文芸投稿ができました。

*6:文学フリマで同人誌を売る、というもの。